退院直後から、パートナーの親友が10ヶ月の子連れでドイツからはるばる泊まりにやって来た。そんなわけでバタバタしていたが、この日は生後7日目、お七夜だ。
子供が生まれたら、こうした日本の風習は大事にしたい、と思っていた。初のイベントとなるお七夜。昔は現在と異なり出産のトラブルが何かと多く、生後間もなく赤ちゃんがこの世を去る事も少なくなかった。そんな時代、7日目を迎える事が出来た赤ちゃんは、これから無事に育つ可能性が高いという事で、7日目の夜に命名し、誕生をアナウンスし、お祝いをした。
正式な方法は、準備も含めて無理があったので、出来る事だけ行う事に。
先ず最も重要なのは、名前を決める事。
スイスでは誕生前に名前を決めておく為、勿論この子の名前も決まっていたのだが、問題は漢字。日本でもドイツでもスイスでもアメリカでも通じる名前を、と思って決めた名前には、まだ漢字が無かった。出生届を出すまで、即ち3ヶ月以内に決めれば届出に問題は無い。が、どうしてもお七夜に命名書を書きたかった。
友人達がいるというのに、この日は申し訳無いが、そっちのけで名前の最終選考に入る。既に何度も候補を検討していたから、大体の考えはまとまっていたのだけど、意味・画数共にしっくりくるものは無く、どれを妥協するか、なかなか決めかねていた。
こんな時、パートナーが日本人だったら、相談も出来るのにな、と思う。
途中興味を示した友人が、ご意見番となったが、彼女の選び方は、『こっちの方がかっこいい』という、絵を見て評価する様な彼女の感性での選び方なので、申し訳ないがあまり参考にさせて欲しくない。
どのくらい迷ったか、わからないが、候補となった名前をいくつか、半紙に書いてみる。
書いて、見るうちに、どれかしっくりくるものがあるかもしれない。
そしてやっと、私の考えがまとまった。
結局最初に意味を重視して考えた漢字に。
お七夜のお祝い、日本なら家族がちゃんと祝ってくれるのだろうけど、この地では私のみが日本の風習を伝えられる家族なのだ。今夜はBBQ、と相成り、庭で肉を焼く彼と友人達。私はどうしても尾頭付きの魚が欲しかった。本当はお赤飯でも炊きたかったのだけど、一日出歩いた上に体調も完全ではない私には、ちょっとハードルが高かった。別に今日でなくても、という彼らの声に少し腹を立てながらも、子供が寝入った隙に、スーパーへ走った。スーパーには頭付きの鮮魚は2種類しかなく、そのうちの一つを購入。BBQグリルに放り込む。ヒレは忘れずにフォイルでガード。
お祝い、と言っても、子はすやすや眠ってしまっているし、彼らの雰囲気はすっかりただのBBQ。一応ポツリポツリと、お七夜とは、を彼らに説明。少しは私の気持ちもわかってもらえただろうか。
本当は子に見せてあげて、一緒に写真をとって、としたかったんだけどね。寝てるのを起こすのがちょっと可哀想だったので、大人だけでのお祝い。私はノンアルコールのシャンパンを頂く。
無事に生まれて、育ってくれてありがとう。
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