2014年5月14日水曜日

入院生活6日目 (妊娠25週+1 切迫早産)

久し振りに夜は涼しいを通り越して少し寒い位だった。窓を少しだけ閉じて初めて毛布を掛けて眠る。

体調も良く、変わらぬ朝を迎えたが、やはり昨日からの下痢が続いて入る様で、お腹が痛い。。。CTGでも2度程子宮収縮が確認されるが、きっとこれは腹痛と関係している様な気がする。早朝のトイレ時に、ほんの微量の血液が確認され少し焦ったものの、多分大丈夫でしょうとの医師の言葉。
今日はいつもの検査に加え、子宮底の測定と体重測定があった。体重は自己申告。

医師の回診では、「リング」なるものの処方について、話があった。早産治療の一環として扱われているらしく、シリコン上のリングを挿入するという手があるらしい。但し、通常この処置は子宮頸管が短い妊婦に行われるもので、既に子宮口が開いている場合には効果が無い。しかし、最近私と似たような状況の妊婦にリングを装着したところ、意外に好ましい経過となっている事から、検討してみたいとの事だった。医師自身もその是否については悩んでいるらしく、明日のChefarzt(院長?)回診の際に意見を聞いてみたい、との事だった。初めて聞いた話で、私にはコメントのしようがなかったが、リスクは何かを問うと、これが刺激になって破水させてしまったりという事もある、との事。

その後インターネットで調べたが、日本語サイトではなかなかヒットしない。見つかったのは、2012年のスペインの病院での症例について。

そんなこんなしているうちに、午後。夫が一人で訪問。仕事の道具を持って来てくれた。2時頃だろうか、トイレに立った時に気が付いた出血。朝よりも量が増えている。気になり看護師に見せたものの、大丈夫、との一言。安心するも、何だかお腹が痛い。

夫の帰宅後、水曜日のプログラム、お裁縫の担当者が来る。 赤ちゃん一人につき一個との事で、今週のプロジェクトを決める。既に第一子の時に作った懐かしい作品が顔を見せる。今回は、少し実用的に、と、さくらんぽの種のクッションを選ぶ。簡単そうなので、すぐできてしまいそう。

その後シャワーを浴びるが、腹痛がひどくなっている。暫く横たわるも、余りおさまわず。夕方5時頃にはかなりの痛みを覚える。トイレに立つと、益々量が増えたおりものと血液が。看護師を呼び、確認されると、お腹を安静にさせる薬を飲み、食事をした後CTGをする事になった。CTGでは陣痛は確認されなかったが、お腹は相変わらず痛い。赤ちゃんがとても元気に動くので、そのせいかもしれない、との事。その後のトイレでも続く出血。大丈夫だろうか。

その後同僚が立ち寄ってくれて、日本語の本を1冊置いて行ってくれた。

腹痛と出血が収まらず、今夜は血栓防止の注射は無し。状態が変化したらすぐ連絡するように、との言葉と、もしかすると赤ちゃんが少し落ち着くから、とラベンダーのアロマを担当看護師が持って来てくれた。夜に少し痛みは落ち着くものの、やっぱり痛い。。。まだまだ生まれちゃだめなんだよ。頑張れ。

昼食

果物のカレー
非常に非常に不思議な味。何故カレーにバナナやリンゴを入れるのだ。。。という衝撃的なカレー。
デザートはチョコレートナッツアイス。やたら甘い。。
夕食

クワーク付のボリュームたっぷりサラダ 。

デザートはラズベリームース。

2014年5月13日火曜日

入院生活5日目 (妊娠25週+0 切迫早産)

今日から25週に突入!
ここも一つの大きなマイルストーンである。というのも、25週以上で生まれた場合、ここの大学病院は基本的に蘇生の為にあらゆる手段を尽くす方針だからだ。勿論、それ以外にも胎児は1日1日、大事な成長を続けている。

朝は昨晩の指示通り、お茶が運ばれてくる。どんなに不味いかと思ったが、全く問題無く飲めるではないか。普通のハーブティーの味。
朝のCTGは陣痛モニターのみで、胎児心拍の測定は後ほど助産師が小型機械を持ってやって来た。今日は看護師の他に助産師が2人程貌を出した。 午後のCTGはかれこれ1時間もかかったが、問題無し。太腿の付け根のお尻側が痛いのは、ずっと横になっているせいだろうか。首の痛みと共に、ちょっと辛くなってきた。まだ1週間弱なのに。

体調は良かったが、困った事に、お茶が効いたのか単なる時間が来たのか、お通じが良いを通り越してお腹を壊す。。。お蔭でお腹が痛く、張りなのか腹痛なのか、、、微妙に痛い。

午後、夫と息子が登場。おもちゃを沢山持ってきた息子は、ひたすらドイツ語でパパと遊び続ける。。昼寝が終わって病院に駆けつけるこの時間は、いつも午後のCTGが行われるので、私はこの日は1時間程身動きが取れない状態で、息子と遊ぶ事が難しい。ほんの1週間弱にして、息子の日本語はかなり弱体化しているのが顕著にうかがえる。この先2か月、3か月、、、不安になり、この日は何だかとても精神的に弱くなってしまった。
夕飯時に帰ってしまった彼らだが、夜にSkypeをしてきてくれて、一緒に夕食タイムを過ごす事が出来た。少し安らいだ一時だった。

そういえば、今日はドイツ語教室がある日の筈だったが、結局先生は現れず。。。

昼食

野菜と穀物のグラタン?

苺ムースのデザート付


夕食

パプリカのご飯詰め、クワーク付

デザートはパイナップル

2014年5月12日月曜日

入院生活4日目 (妊娠24週+6 切迫早産)

今日も陣痛も無く落ち着いてる。
前日担当の看護師より、「明日はシャワーとトイレの許可がでそうです。」と聞いていたので、ワクワクして迎えた朝。 いつもの様に検温・血圧測定・薬の配布等が行われた後、CTG。担当看護師から、医師の回診を経て、カテーテルは外れないかもしれないが、シャワーとトイレが許可されるかも、と告げられる。

月曜日はちょっと偉い医者(Oberarzt)の回診日。他に医師2名と共に回診。まずは48時間、頑張った事を祝福され、これから一日一日が大切である事を念押しされる。実際に質問は?と問われても特に無い私、Oberarztに聞かなくても良かったのだが、尿カテーテルが外れるか、なんていう質問をしてしまった。 一瞬面食らった様子の医師だが、担当医に確認、OKとの回答が得られた。

医師の退室後、早速看護師がやって来て、カテーテルを外す事に。入れた時に相当痛かったので、少し恐れていたが、外すのはとても簡単作業。痛みも無し。 シャワーの許可があるが、どうするか問われたので、即シャワーを希望。点滴は外せないので、腕をビニールで覆い、シャワー室へ。久し振りに起き上ったので、暫くフラフラしてしまう。
久し振りのシャワーは本当に気持ちが良かった。当たり前の事が当たり前でなくなった時に、改めてそのありがたみがわかるというものだ。
服装もやっと自分の部屋着に着替える事が出来た。最も点滴のせいで、衣類の着脱は看護師の手助けが必要なのだが。

シャワーとトイレに立つ事を許可されたものの、それ以外は変わらず、ベッドに横たわり絶対安静。それでも、トイレに自分で行ける事の精神的自由度はかなり異なるものだ。今日は1日気分が良い。

午後の早い時間に夫と息子が登場した。お昼寝前の息子は眠そうで、一緒にベッドに横になってきた。本を3冊読んであげると、おやすみなさい、と寝息をたてた。1時間ほどそうして寝かせたが、息子も久しぶりのママとの一緒の時間を喜んでくれただろうか。

結局今日もお通じが無い、という事で、翌朝に便通に効くお茶を飲むよう言われる。とにかくまずいらしい。空腹で飲むように、との指示を受け、この日のプログラム終了。

昼食
ハンバーグ定食ご飯付
デザートのパンナコッタ?が美味しい。




夕食
ゲシュネッツエルテス、パスタ添え
ビーツのサラダ
デザートは苺

2014年5月11日日曜日

入院生活3日目 (妊娠24週+5 切迫早産)

前日の寝不足のせいか、ぐっすり眠れ迎えた日曜日。世間では母の日。

陣痛も無く胎児も元気、という事で今日も静かな1日。ステロイド剤の副作用が完全に切れていない様で、相変わらず暑い。。。今日も冷却剤がお友達。
一点だけ、入院以来お通じが無いとの事で、マグネシウムの増量を指示される。更に亜麻の実を朝食に混ぜて食べる様にも指示が出た。下剤も処方される。

因みに、、、トイレも食事も寝たままという事は、便意をもようしてもベッドの上で、という事である。看護師達も世話には慣れているのだろうが、その事実がきっと私を更に便秘にしている様な気がする。。。何せ旅行等誰かとトイレをシェアする状況下で必ず便秘の悪化する私。無理もなかろう、と個人的には納得。

午後に夫と息子の訪問。夫は花束を、息子は手に何かを持って参上。とても嬉しそうに、ママ~!!と持って来てくれたのは、保育園で作った母の日のプレゼント。手形のクッキーだった。パパと一緒に「母の日おめでとう!」とドイツ語で。そうだよね、お母さんありがとう、はわからないよね。
ケーキも買ってきてくれて、2個を3人で分けて食べる。クッキーも食べて欲しいと言っていたが、これは暫く飾らせてもらおう。「早く食べないと腐っちゃうよ」だそうだけど。。。
日本語の絵本を持って来たので、3冊読み聞かせをする事が出来た。この先数か月で、息子は日本語を忘れてしまわないだろうか、、、と少し不安である。

昨日の教訓から、今日は食べ物を沢山準備してきたらしく、部屋でひたすら食べ続ける夫と息子。でも夕食の時間には帰路へ。一緒に食べても良いのだが、病院食を食べさせることに抵抗がある様子の夫。。。

そんなこんなで1日が終了。外はちょっと嵐の様に風が吹き続けている。今夜は心地よく眠れるだろうか。

朝食はミューズリー。珈琲を追加してもらう。

昼食
大豆ミートでのグリーンカレー
苺ムースと果物のデザート付


夕食
コールドミートのサラダ。
意外にこれが美味しかった。

2014年5月10日土曜日

入院生活2日目 (24週+4 切迫早産)

夜中の1時半に陣痛が始まったらしく、人が入れ替わりやってきた後、隣人は分娩室へ移動していった。それで起きてしまってから再び寝入る事が出来ずにそのまま朝を迎える。体が熱を持っていてとにかく暑いのは変わらず。点滴同様、ひたすら24時間冷却剤のお世話になる。

週末という事で、心なしかスタッフが少なさそうであるが、薬の副作用でだるい私には多少の静けさがありがたい。二人部屋に一人となった為、窓側に移れるか聞いてみたが、処置の関係上難しいとの事。代わりに窓を全開にしてくれる。少し風が入ってきた。

陣痛も無く様態安定。医師の回診時に、食事の際は少しならベッドを起こしても良いと言われる。この切迫早産状態がどれだけ前から始まっていたのか、わかる術が無いが、それまでは普通に生活していたのだから、短時間少しベッドを起こしても急激な変化は起こらない筈、という。ほんの少し起こすだけでも、食事のし易さは格段に違うという事を実感。

午後2時半過ぎ、最初のステロイド剤投与から48時間経過。これでまず第一の山はクリア。48時間の間制限されていた水分摂取(24時間で1.5L 以内)も、自由に摂取してよいという。

午後3時過ぎに夫到着。息子は、、、寝てしまったので車の中にいるという。車に放置、、、場所が場所なら(アメリカなら)逮捕ものである。暫くして迎えに行った息子は自転車に乗っていたらしく、ヘルメットで部屋にやってくる。保育園の先生達が書いてくれてたお見舞いカードを持って来てくれた。息子も一緒に作ったらしい。ありがとうね。

もう少しいて欲しかったのだが、息子も飽きてきた様子だし、何より夫がお腹が空いてイラついている様子。私の食事時間に合わせて帰宅してもらった。

朝食 
ミューズリー、パン1個、ジャム
チーズはオプション追加。
珈琲を頼みたかったが、水分制限の為やめておいた。
昼食
ゲシュネッツエルテス、ポレンタ、カリフラワー付け合わせ
デザートアイスクリーム



夕食
白ソーセージ
ラディッシュサラダ、ブレッツエル
パイナップル

2014年5月9日金曜日

入院生活開始 (24週+3)

なかなか眠れずとも、広い分娩室で朝が来た。
ステロイド剤の副作用で、暑くて暑くて中々落ち着けず、部屋の温度をかなり下げてもらっていたらしく、助産師達は寒さに震える。それでも私は暑い、暑い、 と冷却剤をぬいぐるみの様に抱っこしての一晩だった。

そうそう、昨晩遅くに、夜ご飯が許可される。スープと大きな果物のケーキ2個。これが夜ご飯?驚きだったが、あまり食欲も無かったので、ラバーバケーキだけ食べてプラムケーキは残しておいた。これがこの日の朝食になった。

朝のシフトの助産師から、状態が落ち着いているので、8時に入院管理病棟に移ると告げられる。尿カテーテルが取れるかを医師に確認してくれた様だが、許可下りず。寝たきりのまま、病棟に移動となった。

部屋は3人部屋になるかと思いきや、2人部屋。空いてなかったのだろうか、と思ったが、後から分かった事だが、状態を考慮しての事らしい。2人部屋でも、一人の人は陣痛促進剤を使用して陣痛を待っていた状態の為に居たらしく、昼間はひたすら外で歩く事を指示されていて不在、その晩分娩室へ移動していった。

病棟へ移ったが、特に変化は無し。変化と言えば、分娩室では専任の助産師がついていたのだが、ここは患者の一人。用事があればこちらから、が基本となった。一人目の時の入院時は色々と説明があったのだが、今回は何故か説明は殆ど無し。
 以前からの変化といえば、一日の予定表がラミネート加工されて個人机に配置されている事、食事のメニューが週毎に小冊子の様に印刷されて各部屋に配布されている事、食事の注文を取りに来る人はラップトップを持ってきて注文を取る事、ぐらいだろうか。
1週間のプログラムも健在。ただ、月曜のお絵描きセラピーが毎週では無く月に2回となっていた。

処方された薬は子宮収縮を抑える為の点滴(Grynipral)の24時間点滴投与、Bryophllum という白いラムネ状のピル(2個ずつ1日4回を噛む)。薬では無いが、マルチビタミン剤1個と便秘予防のマグネシウム1日2-3袋。夜には浮腫み防止の為の注射。あとはひたすら安静。検査は検温・血圧測定・CTG(午前と午後)。医師の回診も1日1度。

息子は臨時で保育園に預かってもらった為、午後から夫が一人で 来院。着替えと歯磨きを手伝ってもらう。保育園の迎えに合わせて帰宅。この日は息子は連れてこない事にして、夜にSkypeでお話。「ママ、どうして帰ってこないの?」ごめんね。。。
この日の体調は至って安定していたが、兎に角薬の副作用で暑い。何度も何度も冷却剤を変えてもらいしのぐ。まず第一の山、24時間が経過した。2本目のステロイド注射。あと24時間。

昼食 スープ、サラダ、林檎。
サーモンにワイルドライス、アスパラガス添え。





夕食 スープ、サラダ。デザートも。
野菜と穀物のグラタンの様なもの。

寝たきりで写真を撮るのでピントも構図もうまくいかず。。。

分娩室へ (24週+2)

ものの10分程度だろうか、大学病院に到着。そのまま準備されていた分娩室へ運ばれ、分娩室のベッドに移動させられます。
救急隊員から申し送りがあるのだが、3名中2人が状況を正確に把握できていなかった模様で、話し合いの様になる。「胎盤が出ていると聞いた気がするんだけど。。。」「私も」「いや、胎盤じゃないでしょう、羊水じゃない?」未だ妊娠・出産経験の無さそうな二人だ、状況が分かりにくくても仕方がない。大学病院の助産師が、「胎盤?!」と驚きながら、かかりつけの医師から渡された詳細を読む。状況が把握できた様子。救急隊員は暫くして部屋を出ていった。少し遅れて、夫も登場した。

実はここから先はあまり順番を追っては覚えていない。
病院の服に着替え、浮腫み防止のストッキングをはかされる。頭を下にして足・お尻が上になる様にベッドを傾ける。CTG(NSTの事)で陣痛と胎児心拍数を調べながら、血管確保の点滴針を差し込む。救急隊員は手の甲につけたが、長期間必要な点滴となった場合、手の甲では手作業の邪魔になるので、腕にしたいとの事で、差し直しを提案される。OKするも、、、何故か中々成功せず、何度も何度も失敗。腕が穴だらけ。最後には麻酔科医を呼んできて試みたが、麻酔科医も2度失敗。やっとの事で血管確保成功。帝王切開に向けて、書類手続き、尿道カテーテルが取り付けられる。これの痛い事と言ったら。。。

医師の検査もあった。かかりつけの医師の診察通りか調べるとの事で、腹部超音波検査。やはり子宮口が開き、羊水が産道に出ているとの事。
まずはいくつかの薬を服用させられる。いずれも子宮の収縮を抑える為のもの。白いラムネ状のもの、黒いカプセルに入ったものを噛む。それから前回もお世話になった、血圧の薬、Adalat。これで様子を見ると共に、これから小児科医が来て説明がある事を告げられる。今のところ食事も水分も禁止。

暫くして小児科医が2名登場した。
第一子の際も小児科医の説明があったので、似たような説明を予期していたのだが、メッセージは異なるものだった。「妊娠期間はどれくらいか知っているか。」「40週」「現在24週+ 2。つまり16週早い。これが大きいと思うか」 そんな下りの後での説明はこういうものだった。
当病院では、単なる蘇生を目標としていない。我々の目標は質の高い生活である。24週で生まれるという事は、蘇生できたとしても多くの障害が残る可能性が高いという事。生まれた子をどうするかを決めるのは親である。
病院側は25週を過ぎていれば、蘇生の為のあらゆる手段を尽くす。24週の今、どうするかを決めるのは親。万一蘇生の為に全てを行うと決めれば、我々は蘇生の為のあらゆる手を尽くす。そうでないという選択もあり、その場合は蘇生措置はとらず、赤ちゃんを包んで連れてくる。 注意すべきは一度決めた事は後で覆せないという事。諦めると決めて、分娩中にやっぱり蘇生させて欲しい、と言っても、その準備は出来ない。生まれた後に病院で確率された基準をもって、赤ちゃんの状態を観察し、医師としての助言・提案は出来る。

生まれる赤ちゃんは何としてもその命を保つべく尽力されると信じていた私。この話は衝撃的過ぎた。そのせいかはわからないが、運ばれてきた時に全くなかった子宮収縮がかなりの強さで発生する。

蘇生の為の全てを尽くすと決めた場合、まず行う事は肺機能の成長を促進させる為のステロイド剤を投与する事。2度に分けて投与され、2本目は24時間後に投与。48時間で終了となる。まずの第一歩は48時間持たせる事となる。

第一子の際には特に我々の見解も無く、ステロイド剤の投与が開始されたのだが、今回は投与を決めるのは私たち、親という事らしい。私は迷い無く、「蘇生に全力を注いでください」と言ったものの、夫は迷いがある模様。何やら的を得ない話を医師に伝える。医師としては、蘇生と決めたら1分でも惜しいのだが、二人で話し合いが必要なら、と45分のタイムリミットをくれて席を外した。

正直、夫は障害のある子供を育てていく自信が無いという事だ。それは私も理解できる。が、今どういう状態なのかも分からない。とりあえずやれるだけの事はする事に、何の異議があるのだろうか。夫は困った様子を見せながらも、最終的には私の希望を、と決めてくれた。

ステロイド投与に際して、夫なりの懸念もあった様だ。赤ちゃんへの影響。医師によると、考えられることは、後に多動症やADHD 等。この投与を出来るだけ後まで待つ、という選択肢も親にはあるらしいが、万一出産になった場合、この処置をしているとしていないでは障害の度合いも異なるという。何よりもこの薬のクリティカルな点は、投与してから48時間をすぎないと効果が無いという点である。

傍にいた助産師も助言をくれた。「私があなただったら、ステロイド投与します。今の状況、あなたの年齢などを考えても、 ステロイドのマイナス面よりもプラス面が遥かに勝っているから」

ステロイド投与を決め、即医師に連絡をとってもらう。直ぐに医師が現れ、決断を確認、準備に入った。第一子の際は腕にしたらしい注射は太腿の腰近くに打たれた。これが痛い。こんなに痛いものだったとは。。。

まずは24時間、そして48時間持たせる事が当面の目標です、といいつつも、帝王切開の準備も進められる。 医師が来て、帝王切開の方法、リスクについての説明。麻酔科医によるリスクの説明。似たような説明が、入れ替えやってくる医師らによってなされていく。
小児科医との話がストレスになったか、子宮収縮が始まってしまったが、服用した薬では収まらない為、点滴も開始されてしまった。今思えば、あの小児科医の話が無かったら、服用薬だけで大丈夫だった様な気もするのだが。。。

とりあえずは分娩室で待機する事になった。分娩が先か、48時間経過が先か、、、
通常の出産同様、担当の助産師がシフトでつき、至れり尽くせり世話をしてくれる。
途中夫は帰宅し、息子を保育園から迎えて一緒に連れてきた。突然病院でベッドに横たわる母を見て、彼はどう感じたのだろう。頭の良い子なので、きっと理解はしてくれているだろう。
夜、夫は息子を連れて帰宅。私は一人分娩室で夜を明かす事となる。


2014年5月8日木曜日

妊娠定期健診 (24週)

3週間弱の休暇から無事戻り、慌ただしく仕事を終えた翌日は定期健診の日。
このところお腹の張りも増しているし、破水だろうか。。。と疑わしいおりものも増えていたので、丁度良いタイミングでの検診だ。朝は普通に息子を保育園に送った足でジムへ。普通に45分間のクラスを終えて、すがすがしい気分で検診へ。

体重はこのところのお腹の出具合が物語る様に、前回から3㎏増。日本でなくてよかった。。。 尿、血液、血圧共に問題無。

問診では出産病院の登録から。前回と同じ大学病院でいいか、と問われる。はい、と答えながらももう一つの候補について意見を聞いたが、医師としては医療の面から、ダントツ別のレベルにある大学病院を進める、との事。夫も気に入っている大学病院への登録をお願いした。

今回は簡単な検診との事だったが、前歴(切迫早産)があるので、念の為に見て見ましょう、という事で診察台へ。まず気になっていた破水か否かを調べると、簡単なテストで破水ではない事が確認できた。一安心。
しかし、経腟からの超音波検査が始まった途端、医師は無言。そのまま超音波画像を見ている。「今日はご主人は?」 の質問が、実は単なる世間話ではなかったのを悟ったのはその数分後。「これから大学病院のNICUに電話します。」と直ぐに連絡を取る医師。それから救急車の手配をさせる。それから超音波の画面を指しながら、「子宮口が開いている。更に羊水の入った胎膜が外に出ている。これから気を付けて内診します。」胎膜羊水が見えるらしい。連絡の取れた救急隊員と話す医師。私には夫に連絡を取る様に言うが、「ご主人に何て言ったらいいのかしら。。。」と独り言。たどたどしく、「直ぐに来れる?」と話している私の電話を奪い取り、医師が夫に話す。「これから救急車で大学病院に緊急搬送です。とにかく急いで来て下さい。万一救急車が先に到着した場合は、あなたを待たずに搬送します。」
夫と救急車を待つ間、医師は言う。「赤ちゃんの大きさは、、、約900g。これはいい。今の医療技術、700gを超えていれば十分生存出来るわよ。」そして続ける。「これから直接分娩室に行くことになります。幸い大学病院のNICUに空きがあるので受け入れ可能です。」
前回の切迫早産体験から、ある程度の知識のある私だが、前回と違う点も多々あり、状況把握が出来ない私。「どうなるんですか、これから。」「赤ちゃんが生まれます。」え。。。。。絶句。 今まで平静だったのだが、突然涙が出てしまった。「ごめんなさい。」と医師。「でも、ポジティプに考えて。赤ちゃんはもう900gだし、何よりもほんの数キロ先の大学病院に受け入れ状態がある。今日が検診で何かある前に見つかって。。。」確かにそうだ。今の医学、赤ちゃんは大丈夫な筈だ。

少しして夫が登場。その後に救急車到着。3人の女性スタッフが対応。タンカの様なものに移され、階段を運ばれ救急車へ。夫は同乗出来ないので車で後から追いかけるという。
救急車の中で、慌ただしくも作業が並行する。手の甲に張りを差し、血管を確保、水溶液を投入。「青いランプを付けて走ります」とサイレンを鳴らして出発。

2014年3月4日火曜日

Planeta Magic Kinder Spielpark

スイスの寒い冬。寒いだけならいいのだが、中途半端に雨なんか降ると、行動範囲が限られてしまう。ZurichならGZ(Gemeinschaftzentrum)等の公共施設があるが、それ以外となると、なかなか頭を悩ませてしまう。

今回雨は降っていなかったが、行ってみたのがここ、室内遊戯施設 「Planeta Magic」。我が家からも10分程度の距離というのが魅力。しかしながら、これまで一度も行った事が無かったのは、もう少し近い近所に無料の室内遊び場があったりしたからかもしれない。

ここは車でなければアクセスが多少困難そうだが、車があれば、高速道路を下りて直ぐと便利である。建物は普通のビル。ビルの一フロアを利用して作られた施設で、決して広い施設では無い。トランポリン、ボールとアスレチックが組み合わされたものが二つ(一つが赤ちゃん用)、色々な形のビニール人形が立っている広場、そしてカフェスペースがある。

入場する際に、入場料(子供14CHF、大人無料!)を支払い、子供の靴と上着を預けると、子供は遊び放題。裸足厳禁となっているので、滑り止め付の靴下などがあると望ましい。カフェスペースでは持ち込み飲食は基本的に禁止だが、軽食と呼ばれる程のものは売っていないので、途中お腹が空いてしまう子供達にはちょっと大変そう。お菓子は沢山売っているけどね。。。

平日だったからか余り混んでおらず、2歳の子供達が遊ぶには十分な施設で、息子達はたっぷり満喫出来た模様。子供同士で十分遊べそうだったので、大人の私達はコーヒーやアイスを頬張りながらカフェタイム。

 また来てもいいかな、と思う施設。こんなに近いのだし、もう少し早く試してみれば良かったと少し後悔。ちなみに2歳迄は5回で35CHFという回数券もあり、お得。今さら買ってもなあ。。。それと木曜午前中もBaby Timeと称して2歳迄の入場7CHF。1歳未満は無料。1歳未満が遊べる施設ではないけど。。。

雨が降った日の選択肢が広がりました。

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Planeta Magic
Ruetibueelstrasse 17
8820 Waedenswil


2014年2月14日金曜日

SBB Tageskarte Gemeinde

スイスは公共交通機関が発達しているが、それなりに運賃が高い。住民の多くは何らかの割引パスを持っているので、それ程高くは感じないが、例えば我が町からZurich 迄約15分間山手線位の停車間隔の電車に乗ると、その料金は片道約800円。

スイスでお得に公共交通機関で旅をするには、色々な割引カードがあるが、恐らく一番お得なのは市町村が発行している1日乗車券。これは上記の割引カード所持者でなくても使用出来、スイス国内電車・バス・船・トラム何でも乗り放題。各市町村によって多少の差があるが、1枚40フラン前後。

例えば、Zurichから首都のBernに行く場合、通常料金だと片道49CHFだから、この区間を移動するだけでも既にお得。

この一日乗車券(SBB Tageskarte Gemeinde)、発行枚数が限られていて、例えば私の町では1日3枚迄の割り当てがある。住民のみが買える場合、誰でも購入出来る場合、住民に購入の優先権がある場合、等条件はこれまた市町村によって異なる。購入方法も、直接、On-Lineで、電話で、等色々。私の町では3通りのどの方法でも可能で、Online購入の場合はCredit Card 等で購入すると無料で郵送してくれる。
また、私の町の場合、利用日の30日前から購入可能という様に、これも市町村様々。
肝心の利用者だが、大抵の市町村発行のものは、誰でも利用可能。つまり、日本からの旅行者用に購入する事も可能という事だ。

一点注意点は、上記でも繰り返している様に、色々な条件は各市町村によって異なるという事。


なかなかお得な話が少ないスイスで、とっても利用価値のある割引でした。


2014年2月13日木曜日

バスでドイツへ

DBの前売り割引で、安いドイツ行きチケットを確保したのは旅行予定の約か月前。早く予約するにこした事はないが、一応3日前迄はDBの割引カード保持者は安売りチケットが買える。飛行機で言ったら「早割」という事だろうが、デメリットは決められた電車しか乗れず、乗り遅れたらチケット無効となる事。但し、チケットによっては15ユーロの手数料で払い戻しが可能だったりするが、当日のキャンセルは不可。

今回当日に旅行をキャンセルしてしまったので、払い戻しは不可だった。格安とはいえ約40ユーロを水に流す事に。そして取り直そうとしたチケット、前日だったので通常価格のみでの販売。約2倍のお値段になってしまった。仕方ないか、と思ったが、ふと、チューリッヒ・ミュンヘン間を走る格安バスの事が頭に浮かんだ。もしかして、別のルートでもあるかもしれない、格安バス。

早速調べてみると。。。ありました!目的のルートが。
数社のバス会社を見つけたが、最安9ユーロから。9ユーロって、、、ただ、この格安は特定の日・時間限定。次に安いのは18ユーロ、22スイスフラン。これでも格安!ただ、時間が電車だと4時間半のところが6時間半かかるという難点が。更に出発時刻が朝7時と早い。
少し考え、夫に言ったら怒られそうだなあ、と思いながらも、ちゃっちゃとバスを予約してしまった。案の定、夫には嫌な顔をされてしまったが、今回は私一人の旅だし、一度乗ってみるのも悪くないだろう。

ネットから予約は簡単に出来る。当日でもバス出発前ならネット予約が出来る様子。 支払いもユーロ、フランで可能、更にドイツにしては珍しく、クレジットカードでの支払いに手数料上乗せ無し。チケットは印刷するか、Pdf.をスマートフォンやタブレット等で示せる様にすれば良い。当日は15分前から搭乗開始、写真付きの身分証明書(ID)を持参。荷物も2個までチェックイン出来、プラス車内持ち込み、と飛行機並の対応。また、スナックと飲み物の社内販売もあるらしい。(スイスの売店で買うより安い。)初の体験はいつでもわくわくする。遠足前日の様な気分で就寝。

翌日、6時45分に着くようにと、少し早目の電車でZurich HBへ向かう。バス乗り場は中央駅の南側のバス集合場。駐車場の様な広いバスがあり、直ぐにわかった。暗い中、既に沢山の荷物を持った人達が待っている様子。荷物は小さなバックパック一つの身軽な私。朝食と昼食持参。

バスは2階建ての新しいバスで、トイレ付。このタイプのバスは、かつて節約旅行をしていた際に長距離深夜バスを利用した事があるが、そんな感じのバス。
リビングの様に机を挟む形の席もあり、2階へ行く階段は前と後ろに付いていて、2階の乗客がトイレに行く時に便利な作り。席は自由。
更に、このバスの売りは、「無料でWiFiが使える!」期待してLaptop とTabletを持ち込む。

渋滞は無かったが、ところどころ停車するバスは時間がかかる。車で4.5時間程の道のりが6.5時間かかった。長い長いバスライドはやっぱり疲れたが、自分で運転するよりはずっとまし。Internetもところどころ切れたものの、使えない事はない。接続の電車を調べたりするのに重宝した。

という事で、初のドイツ格安バス体験。又利用するか、と言われたら。。。今回と同じ区間だったらNGだな。30ユーロ位の差なら、もうちょっと快適な電車がいい。もう少し停車が少ない区間を乗るなら、このバスは利用価値あり。ちなみに、このバス、実はもっと先のHamburg が終点。12時間以上の長旅。Hamburg 迄乗るなら。。。飛行機だな、私は。



2014年2月11日火曜日

赤ちゃん用品の使い勝手

息子がもう赤ちゃんを卒業して久しくなったが、一応記録迄に書いておこう。
準備した赤ちゃん用品の使い勝手について。

出産前に準備したものは以下の通り。
準備して良かったもの全く使わなかったものどちらでも良かったものに分けてみた。

  • ベビーベッド (Kinderbett).....生後6か月位は重宝するも、その後普通の大人ベッドになったので用無しとなったが。。
  • ベッド用マットレス・カバー .... 上記同。
  • ベビーカー (Kinderwagen) .... 生後1年は殆ど出番が無かったが、その後の1年程は昼寝用に重宝。
  • 車用のベビーシート (Kindersitze).... カーシートの事。必需品。
  • 紙おむつ(Windeln) .... 布よりも簡単と言えば簡単。初期に大量に買いすぎたのは失敗。
  • ウェットティッシュ (Feuchttücher.... 生後8か月程はもっぱら外出用に使用。
  • 哺乳瓶 (Flaschen .... 完全母乳で事足りた為、6-8本準備したのは多すぎた。
  • 哺乳瓶消毒器 (Sterilisiergerät.... 殆ど出番が無かったが、搾乳した母乳を入れる際に使用。
  • 搾乳機 (Milchpumpe).... 保育園に母乳を持たせる為必要だったが、レンタルでも良かったかも。
  • おむつ交換台 (Wickeltisch)
  • おむつ交換台用赤外線ヒーター (Heizstrahler).... 全く出番無。
  • 衣類の洗剤 .... 普通の洗剤でも良かったかも。
  • 寝袋 (Schlafsack)....一時期を除いて嫌がって使ってくれなかった。
  • 抱っこ紐 (Tragetuch).... 一番大活躍したアイテム。生後1年以上これで通した。
  • おしゃぶり (Schnuller) .... 出来れば使いたく無かったのだが。。。
  • おもちゃ
  • 衣類
  • ベビークリーム (Hautcreme)....助産師からアーモンドオイルを勧められそちらを使用。
  • 赤ちゃん用爪切り (Nagelschere).... 大人用は最初使えないので。
  • ガーゼ .... おむつ変えの際に、食後の口・手拭きに大活躍。 
  • 母乳保管容器 .... 200ml入る蓋付き容器、10個セット。離乳食やおやつを入れて持ち歩くのにも活躍。
生後買い足したものを足すと:
  • おむつ処理ゴミ箱 .... 生後1年位してからの軟便の際(臭いしトイレに綺麗に流せない)に重宝したが、使ったの一瞬だけ。。。
  • ベビーバス .... 我々大人が入浴しないので2歳を過ぎた今も活躍中。
  • シリコン製のよだれかけ .... こぼした食べ物を残らずキャッチする優れもの。直ぐ洗って乾かせるのも良い。
  • ハイチェア .... 離乳食開始の頃から大活躍。
  • バウンサー .... 2-4か月頃に大重宝するが、活躍期間短し。収納場所があるなら。。。
  • 離乳食用の子供皿 .... 普通の皿で良かったかも。
  • 水飲みボトル .... 外出用に必須かつ便利。
  • レギンス .... タイツだと靴下部分が汚れるので毎日要洗濯だが、レギンスだと数日履かせられるし、歩き始めに裸足で歩かせる事が出来る。

こんなところだろうか。 
必要と思うかどうかは家庭環境・生活環境も含めて個人差があると思うので、あくまで私の感想として。

 

2014年2月9日日曜日

GZ Leimbach

チューリッヒ市に18箇所ある Gemeinschaftszentren(通称 GZ、公民館・児童館の様なもの)。この場所を借りて開催されているSpielgruppeも多いので、私たちも何かとお世話になっている。大抵行くGZは決まっていたのだが、今回新しいGZに行ってみる事に。場所はかろうじてZurichに入る、Leimbach にあるGZ。

電車でも行けそうだが、家からだと車が便利そうという事で車で。GZの敷地には3台分の駐車スペースがあるが、それ以外は近くのブルーゾーン(1時間限定のフリーゾーン)にとめる事となる。
幸いこの日は車での訪問者が少なかったか、GZの駐車スペースが空いていた。

いつもはGZに行くというと、その中の施設で遊ぶことを目的で行く事が多いのだが、この日はもっぱら外遊び。Zurich の市内中心近くにあるGZ の公園とは異なり、自然のアスレチック施設系の遊具が森の斜面に散々している。鉄で出来た遊具よりも、こうした木で作られた遊具は、何となく子供の情操教育に良いような気がしてくる。

ともあれ、息子もこの公園には魅了させられた様子で、少し息子には難しそうな遊具に果敢に挑戦していく。楽しそうに遊ぶ息子を見るのは嬉しい。少し肌寒い日だったが、長い間外遊びに興じる事となった。
一方、寒さと空腹にギブアップ宣言した夫は、GZのカフェに入り、一休み。カフェにはちょっとした子供の遊ぶスペースも設置してあり、暗くなった後には息子もこのカフェスペースに移動して閉館ギリギリ迄楽しく遊べた。

このGZでは、親子一緒のオープン・プレイグループの様なものも開催してるし、冬の間は室内遊び場も解放している。室内の遊び場と言えば、これまではOerlikon のGZ(TEZET) が定番だったが、ここは近いし開放時間も長い。いざという時の駆け込み寺として活用させてもらおうっと。

ドイツの田舎町でタイマッサージ

あまりマッサージが嫌いという人はいないだろうと思うが、私もその例外ではない。とはいえ、特に体が凝ったりするわけでは無いので、わざわざ時間を作ってマッサージに行こう、という気は起きない。その時間があるなら、ジムで体を動かした方がいい。

というわけで、かつてアジア諸国を出張しまくっていた時に受けたマッサージ以来、ご無沙汰だったマッサージ。たまに夫がしてくれるが、長くて2分がいいところだし、申し訳ないがあまりお上手ではない。2歳の息子も実はマッサージ好きで、彼はこれがまた腕がいい。大きくなったら有望だが、今のところ、自分がマッサージしてもらう方が好きらしく、これまたせいぜい1分。

そんなあるクリスマス、義父からプレゼントに、タイマッサージのギフト券を貰った。なかなか洒落たプレゼントではないか、と喜ぶが、勿論あの田舎町でのマッサージ。何せ町でアジア人を見た事が無い。ちょっと半信半疑のまま、ギフト券の有効期限が迫ったある日。町へ買い物に行くと連れ出された私は、いつもと違う人気の無い通りへ。。。車が止まったのは、タイマッサージのお店。電話嫌いで予約を躊躇していた私の代わりに、夫がこっそり予約を取っていてくれたのだ。

という事で、突然マッサージを受ける事になる私。
60分間、好きなマッサージを選べるのだが、私はフットマッサージを選択。タイで受けた2時間のフットマッサージが思い出される。
が、ここでのマッサージ、さすがドイツ仕様だろうか、ちょっと優雅な雰囲気の中でプライベート感満載で行われた。ちょっと緊張気味の私だったが、言われたように寝転がってマッサージを受ける。マッサージ師はタイの人らしく、タイ語を話していたし(何を隠そう私大学でタイ語履修)、力も強くなかなか気持ちが良い。あっという間にマッサージ終了。

終わると、中国同様、温かいお茶を出され、のんびりする様言われる。オーナーの年齢不詳のおばさんがとてもFriendlyで、久しぶりにアジアの空気を吸った気がする。

迎えに来た夫と息子に、なかなか良かったと話していたら、次の実家訪問の際も、こっそりとマッサージの予約を取ってくれていた夫。今度は1時間半コース。1時間半の全身マッサージをお願いしたが、ぎっくり腰が治りきれていなかった事もあり、ちょっと辛かった。1時間全身マッサージ、30分フットマッサージにすればよかったかなあ。でも、夫の心遣いにもほぐされ、大満足の90分。

これはなかなか悪くないかも、と思っていたら、その数日後にやってきたクリスマスは、再びこのタイマッサージギフト券が義父から。自分では行かないだけに、ちょっとした嬉しいプレゼント。お義父さん、どうもありがとう。

あの田舎町で私が出来る事がひとつ増えました。


2014年1月29日水曜日

裏の山でそり滑り

我が家の裏は知る人ぞ知る、プチ観光地の山。
残念ながら、我が家から徒歩やゴンドラ圏内には無いのだが、少し車を走らせると、この山の続き部分に、これまた知る人ぞ知る、プチそり滑り場がある。山の我が家のすぐ裏部分は雪が積もってもすぐ融けてしまう事が多いが、この秘境そり場はしっかりと雪が積もっている事が多い。

久し振りに雨の様な雪の様な氷の様なものが降った翌日は快晴に恵まれた。ぽかぽか陽気の午後、友人の提案でそり滑りに行く事に急遽決定。

息子を無理矢理昼寝から起こし、車にそりを積んでいざ出発。
週末はスイスのスキー場にはあり得ない程に混むこのスロープも、平日とあってかガラガラ。4組程の親子連れがいるのみ。
ちなみに週末には、隣の農場?の人が、温かい飲み物や軽食のスタンドを出していて、ちょっとしたレジャー場。お店側では絞りたての牛乳も買えるらしいので、一度試してみよう。

息子は去年の冬、本格的そりデビューを果たしており、今シーズンも既にこのスロープでそり滑りをしている。
いつもは夫が息子とそり滑りをする係りなのだが、今日は私だけ、という事で、まず息子には友人から借りた簡易そりにトライしてもらう。これならお尻の大きさに持ち手がついた程の薄いプラスチックの板なので、2歳の息子でも手軽に運ぶことが出来る。(そう、母、楽したいのだ)

しかし。
レッスン無しに果敢に滑り出した息子。スピードが出すぎ、途中で後ろ向きに回転してしまい、そのまま加速しながら下へ。。。そして転倒。
このせいで、このなんちゃってそりは嫌いになってしまったらしい。後ろ向きになるまでは笑ってたのに。。。しまった。

仕方がないので、息子の「青いそり」(と彼が呼ぶ)登場。
日本ではなかなかお目にかからないだろう、このスイス定番の木製そり。一人で乗せてみたが、どうも怖いらしい。あれー、去年は一人で乗っていた様な。。。
仕方なく、その日はそれからひたすら私が息子とそりを滑る事になる。
唯一の救いは、上りは必ず息子が自分でそりを引っ張って上ってくれたこと。My そりなんだね。こんな重いものを引っ張る息子に、成長を感じずにはいられない親馬鹿の私。

結局夕日が山の稜線に沈みかける5時過ぎ迄、最後の一人となって滑り続け遊び続けた息子達。意外にも日向は暖かく、付き添いの親たちもこの日ばかりは凍えること無く、日向ぼっこを満喫。私はカリフォルニアでの古き良き日々を思い出したりなんかして。

聞くところによると、このスロープ、昔はリフトが1本あって、普通のスキー場として地元民に愛されていたらしい。確かに、初心者の練習には良いくらいの傾斜と広さがある。私も今度、ここにスノーボードでも持ってこようかなあ。(初心者じゃありませんけど)

2014年1月26日日曜日

スイスが好きな理由

息子が生まれた時から、日記をつけている。時々抜けてしまう事もあるが、何とか続いている。言語に関心のある私は、息子の言語の発達について、事細かく記載しているのだが、2歳5か月位から、新しい語彙を書き留めることはもはや不可能となった。という事で、最近は、息子の発言に着目中。

この年の子供の頭がどうなっているのか、全く想像の域を超えるのだが、思いもよらぬテーマを語りだす事が多い。この日は、一応会話の流れには沿っていた会話ではあったのだが、、、ちょっと面白かったので記録。

保育園に迎えに行った私に、息子が言う。
「今、〇〇〇(←町の名前)のぼくの家に帰るの?」
「そうだよ。」
「ぼく、〇〇〇の家、大好き!」

ここまでは良し。そして、次のセリフ。

「ぼく、ドイツの家は嫌いなの。。。」

ドイツの家が嫌いというのは、何度か息子から聞いていたので、驚きでは無い。しかしこの日、理由を問うと、これまた予測外の回答が。

「ドイツの家は、ご飯が美味しくないの。」

流石私の子、と笑った。やっぱり食か~!
でも、笑ってはいけない。真面目に聞いてみる。
「スイスの家は、ご飯美味しいの?」
「美味しいよお~。」
「そうなんだー。」
「日本も僕、好きだよ。日本の食べ物、美味しいよ。」

なるほど。。。。。やはり男の心は胃袋からなのか。

それにしても、ドイツの家もスイスの家も、私は余り異なるものを作っていないのだが。。。ドイツは外食が多いから?それとも若干日本食が少ない?次回の滞在迄に研究しておかねば。

2014年1月23日木曜日

衝撃の一言

複数言語環境の子供を育てている方なら共感出来るかと思うが、異国の地で自分の母国語を子供に継承していくべく努力をする中で、常にどこかで感じている不安。「いつかこの子は自分の母国語を話す事を拒否する日が来るかもしれない」

勿論、子供もそれぞれで、そんな心配が不必要に終わる場合も多いかもしれない。が、時々聞く事、「子供が日本語を話す事を拒否する」。現地文化・社会との何らかの摩擦を感じる場合に、現地社会に同化しようとする子供の自己防衛本能の一つだと思うのだが、我が息子は未だ2歳、複数言語を操りながらもどちらかというと未だ日本語が断然強い為、このテーマはもう少し先に来るものだと思っていた。

が。しかし、である。
突然母子二人の夕食の場で、息子が私に語り掛けた。
「ぼく、大きくなったら、日本語話さないの。」
えっ??今何言った?一瞬耳を疑った私。オウム返しで聞く私に、息子再度語る。
「ぼく、大きくなったら、ドイツ語だけ話すの。」
えっ??えっ??どうして??
その発言の内容も内容だが、何故突然そんな事を語りだしたのか、動揺気味の母。
どうしてなのか理由を問うと、やっとそれらしきものを話したのは、こういう事。
「パパはドイツ語だけ話すの。日本語話せないの。」
「〇〇ちゃんもドイツ語話すの。」
「〇〇さんもドイツ語話すの。」
息子の深層心理はわからないが、どうやら恐らく、周りにはドイツ語を話す人口が遥かに多いから、という人が理由の様子。何故それが、「大きくなったら」に限定されているのかはよくわからないのだが、子供の心の動きの繊細さを感じた気がした。
母 「でも、ママとは日本語でしょう?」
息子 「 ママはドイツ語も話すの。」
母 「そうだね。。。だけど、ママは日本語の方が上手だし、日本語で話たいな。それに、日本語だと、おじいちゃんとおばあちゃんとも話せるし、〇〇と〇〇とも話せるでしょう?」

今のところ、息子は私にドイツ語で話しかけた事は一度足りとも無い。 実のところ、動揺した事はしたものの、我が息子に限って(←え~っ???)、日本語を拒否する日が来る様な気もしない。

この会話は、結局その後別の話題に取って代わられ、又この話題が息子から浮上する事は無かったが、出来るものなら、この発言をした息子の深層心理を探ってみたいものである。

今日も息子は朝からマシンガンの様に私に日本語を浴びせて、元気に保育園へ登園。一日中ドイツ語のシャワーを浴びても、帰宅すれば溢れる様に出てくる日本語。息子よ、そして私、頑張れ!