2月13日は、スイスで国民投票が行われた。
銃規制に対する発議(Waffenschutz-Initiative)についてだが、結果は投票率49%中、56.3%の得票及び26州中20州の指示を得て、従来通り、銃の保持・保管を認める結果となった。(即ち、銃器保持規制を求める発議は否決された)
Initiative とは、憲法条項の一部の改正を求めて行われる国民発議で、18ヶ月以内に10万人分の署名を集めて、国民投票にかけるもの。絶対投票数と州の両方で過半数を得ねばならないが、保守的な国スイス、Initiative が認められた事は過去にも例は少ない様だが、今回も保守的スイスの名を証明した様な結果となった。
興味深かったのは、 今回の法改正に賛成したのは主に大都市のある州、チューリッヒ、ジュネーブ、バーゼル等。アメリカでも中西部等が比較的保守的なのに対して、カリフォルニア等は革新的だという傾向と似たものがある。
絶対的に農村部が多いスイス、結果がこうなったのは半ば予測された事かもしれないし、地元の新聞でも、やはり『保守的スイス』とのコメントが多かった。
私達はスイス人では無いので、国民投票対象外だが、前回の外国人犯罪者の国外追放強化や今回の件等は興味深い。
スイスは今も国民皆兵、兵役義務がある。ドイツと異なり、1度きりではなく、50歳位迄毎年訓練があり、その間、銃器は自宅に保管され、兵役終了後も希望に応じて保持できる。少し時代は異なるが、江戸の侍が常に刀の手入れをして武術の訓練をしていたのと同じ事でしょう。
スイスの銃器保持世帯率は約35% と高い。
そして、元々自殺者が多いスイスの、銃器による自殺は全体の28%を占め、そのほぼ全てが男性という。即ち、銃器保持を規制すれば、事故だけではなく自殺も減るという理由付けなのだが。
私自身は、銃器の自宅管理は賛成出来ない。やはり火の無いところに煙は立たないから。 日常の生活に不必要でもあり、毎年訓練が必要、銃器に馴染んでおく事が必要、とはいえ、訓練は特定の場所で行うわけだし、いざ出陣となれば1度は軍に出向いてから指示を仰ぐ事になる筈。となると、自宅で銃器を保管しておかねばならない絶対的理由が見つからない。
世界一住みやすい街に常に上位ランクインする都市を抱える、永世中立国、スイス。
隣国ドイツでは今年から兵役義務が撤廃されたが、スイスは今後変化をとげて行くのだろうか。
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